第9章 学習指導案の主題・単元の目標等書き方例

 第9章では、小・中学校学習指導要領(平成29年告示)及び高等学校学習指導要領(平成30年告示)において教科の中で「引用の仕方」や「出所の明示」(出典)の示し方を指導することができるようになりましたので、学習指導案では本時の主題・単元名、単元の目標などをどのように記述するかのおおまかな例をご紹介します。

 

「引用の仕方」及び「出所の明示」(出典)の示し方
1.主題・単元名
引用の仕方や出典の示し方
 小学校学習指導要領 国語科 第3学年及び第4学年
 2 内容 (2) 話や文章に含まれている情報の扱い方 イ 引用の仕方や出典の示し方(p.32)

2.単元の目標
●引用の仕方や出典の示し方を理解し使う。(2 内容 (2) イ(p.32))
●記録や報告などの文章を読み、文章の一部を引用して、分かったことや考えたことを説明したり、意見を述べたりする。(2 内容 C(2) ア)(p.34)
●筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い、日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えをまとめようとする。(1 目標 (2) (p.31))

3.単元の評価基準(※)
【知識・技能】
●引用の仕方や出典の示し方を理解しており使うことができる。(2 内容 (2) イ(p.32))
【思考・判断・表現】
●記録や報告などの文章を読み、文章の一部を引用して、分かったことや考えたことを説明したり、意見を述べたりすることができる。(2 内容 C(2) ア)(p.34)
【主体的に学習に取り組む態度】
●筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い、日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えをまとめようとしている。(1 目標 (2) (p.31))
引用文献
19) 文部科学省科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会情報科学技術委員会デジタル研究情報基盤ワーキング・グループ.学術情報の流通基盤の充実について(審議のまとめ)平成14年3月12日.(online), available from<http://www.mext.go.jp/b_menu /shingi/gijyutu/gijyutu2/toushin/020401.htm>, (accessed 2007-09-04).


【解説】
 (※)単元の評価基準(観点別学習状況評価の各観点)である「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」は、学習指導要領においては、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」と示されている。
 例 小学校学習指導要領 総則 第1 小学校教育の基本と教育課程の役割 3
    ⑴ 知識及び技能が習得されるようにすること。
⑵ 思考力、判断力、表現力等を育成すること。
⑶ 学びに向かう力、人間性等を涵養すること。

引用し出所を明示する(出典を示す)のは何のためか
1.主題・単元名
引用の仕方や出典の示し方、それらの必要性についての理解
 高等学校学習指導要領 国語科 現代の国語
 2 内容 (2) 話や文章に含まれている情報の扱い方
        オ 引用の仕方や出典の示し方、それらの必要性についての理解(p.34)

2.単元の目標
●引用の仕方や出典の示し方、それらの必要性について理解し使う。(2 内容 (2) オ)(p.34)
●自分の考えや事柄が的確に伝わるよう、根拠の示し方や説明の仕方を考えるとともに、文章の種類や、文体、語句などの表現の仕方を工夫する。(2 内容 B(1) ウ)(p.34)
●論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を伸ばし、他者との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりしようとする。(1 目標 (2))(p.33)

3.単元の評価基準
【知識・技能】
●引用の仕方や出典の示し方、それらの必要性について理解し使うことができる。(2 内容 (2) オ)(p.34)
【思考・判断・表現】
●自分の考えや事柄が的確に伝わるよう、根拠の示し方や説明の仕方を考えるとともに、文章の種類や、文体、語句などの表現の仕方を工夫することができる。(2 内容 B(1) ウ)(p.34)
【主体的に学習に取り組む態度】
●論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を伸ばし、他者との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりしようとしている。(1 目標 (2))(p.33)
引用文献
10)増田克彦. 漉嵌機の和紙修理への応用.保存科学.(東京国立文化財研究所).vol.l5,1976,p .l02-105.

(高橋輝「ベッテルハイム史料の修復と機関リポジトリでの公開の方法」大学図書館研究(81):59-68, 2007-12.引用はp.62.)